ロシアとプーチン大統領政府の腐敗に対する改革の提唱をしてきたロシアの反対派リーダーであるアレクセイ・ナワリヌイ氏が死亡してニュースになっている。死亡の仕方からして、暗殺の可能性が高いが、もちろん真実は定かではない。ロシア大統領選まで1カ月、2024年2月16日に47歳という若さで亡くなった。
ナワリヌイ氏は2018年大統領選挙に立候補するも、以前の有罪判決を理由に選挙委員会によって禁止された。2020年、毒物攻撃を受けてモスクワ行きの飛行機の中で、叫び声をあげた。ドイツで治療を行ったが、プーチン大統領が背後にいると非難した。2021年1月、ロシアに帰国後、直ちに拘束された。その後、複数の刑が追加され、2038年12月までの服役が言い渡された。
ナワリヌイ氏が調査したプーチン大統領の豪邸とは？
ナワリヌイは大きなYoutubeのフォロワーを持っていて、それが彼をターゲットにした。ロシアの厳しく管理されたテレビネットワークによる実質的な排除にもかかわらず、彼のメッセージを伝えることができたからだ。逮捕後、彼はプーチンのものだと言われる黒海沿岸の巨大な宮殿についての調査を公開した。クレムリンはそれが真実ではないと言ったが、数日以内にそれは彼のこれまでで最も人気のあるビデオとなり、1億2000万回以上の視聴回数を記録した。彼のYoutubeビデオは、今でも視聴ができる（https://www.youtube.com/watch?v=ipAnwilMncI)
以下はYoutubeからの映像の一部である。
Google Mapでも確認できる。(https://maps.app.goo.gl/AKqP3xeSuZomGF7J9)
ナリワヌイ氏が拘留されていた刑務所は地獄だった
アレクセイ・ナワリヌイは2ヶ月前に地獄に送られた。この苦難に満ちた47歳のロシアの反体制派、二児の父はモスクワから東に約150マイルの刑務所から姿を消し、3週間後に北極圏上の暗く凍える刑務所で再び姿を現した。この刑務所は水責めや電気ショックの虐待で悪名高い数ある囚人キャンプの一つだった。ナワリヌイが移送された場所は「ポーラーウルフ」と呼ばれ、彼は小さな独房で約11フィートを行ったり来たりすることしかできず、毎日午前5時にプーチン支持のポップスター、シャーマンの曲「I am Russian」を流しながら、異なる種類の拷問で起こされたと言う。
地図でその場所を確認してみると、まさに北極の近くである。冬にはマイナス40度にも気温は下がるという。
不可解な死が続くロシア。プーチン政権は続く。
2023年8月には、同年6月に武装蜂起を起こしたロシアの傭兵組織ワグネルグループのリーダーであるプリゴジン氏がのっている飛行機が爆破され、死亡したのが記憶に新しい。
体制に反対されるものが次々に死亡していくロシア。そんな中でもプーチン氏への支持率が80%近く、3月の選挙でも当選が予想されている。
プーチン支持率 (source: statista)
欧米のロシア制裁は、ロシア経済に大きな影響を与えているとは言えない。ロシアのPMI指数はウクライナ侵攻後に悪化したものの、現在は拡大を意味する50以上で推移を続けており、経済活動は拡大傾向にある。これについては、また記事で詳しくカバーしたいが、経済的にも順調であり、大方のロシア人に取ってみれば政権に対する大きな不満を持っていないというのが現状ということだろう。
Russia Composite PMI (source: TradingEconomics)
